香りのジャンルは?
このページでは、香水の種類と、香りの各区分についてまとめてみた
香水の種類にはどんなものがある?
一般的に、香水には四つの種類があるとされている。
パルファム、オーデパルファム、オードトワレ、オーデコロン
では、まずはこれらの特徴をチェックしてみよう。
名称/略称 | 香料の濃度 | 持続時間 | 特徴 |
---|---|---|---|
パルファム (P) |
15~30% | 5~12時間 | 香水の中でもっとも濃度が高い。グレードも高く、よりフォーマルな傾向が強い。 |
オーデパルファム (EDP) |
10~15% | 5~12時間 | パルファムに近い濃度で、手頃な価格設定の商品が多い。 |
オードトワレ (EDT) |
5~10% | 2~5時間 | ソフトな香り立ちで、普段使いに適したカジュアルな商品が多い。 |
オーデコロン (EDC) |
1~5% | 1~2時間 | ビギナーにも使いやすい軽めの香り。ユニセックスの商品も多い。 |
これらはあくまでひとつの目安であって、メーカーによって多少分類法が異なる場合もある。また、厳密な意味での香水は、もっとも濃度の高いパルファムのみを指すという考え方もある。
そこで、どのブランドもパルファムをトップグレードとして位置づけ、香料の濃度が下がるにつれてカジュアルなラインナップを展開しているようだ。
メンズ香水の成分としては、以下のようなものが配合されているものが多い。選ぶ時の参考にしていただきたい。
香水の種類
香水を作るには、香りのもととなる原料や香料を、実に100種類以上ブレンドすることによって1つの香りが生まれる。
それによって作り出される香水は350種類以上あるといわれている。
さらに、香料の種類は、
- 天然香料(植物性香料・動物性香料)
- 合成香料(化学的に合成された香料)
に分けられる。
植物性香料
素材 | 香料 |
---|---|
アーモンド | 深みのあるみずみずしい香りを演出する。 |
オークモス | 樫の木に生育した苔の香り。大人っぽくセクシーな演出をしてくれる。 |
オレンジ | 軽やかなシトラス系。トップノートに使われることが多い。 |
グレープフルーツ | 少し苦味のある大人のシトラス。気分を高める。 |
シダーウッド | 乾燥した樹木の香りが心地よいオリエンタル系。 |
ジャスミン | 抽出が困難な貴重な香料。エキゾティックな香り。 |
スズラン | 清楚でやさしいイメージが印象的。 |
バニラ | 甘い香りで周りの人をひきつける。 |
ベルガモット | フローラルな印象もあるフレッシュな香り。 |
レモン | さわやかな香りでリフレッシュできる。 |
ローズ | 甘いフローラルの代表格。リラックス効果にも期待できる。 |
植物性香料は主に芳香のあるバラ・ラベンダー・ジャスミン・ハッカなどの植物や、つぼみ・果実・葉・枝・幹・根・樹脂などから抽出して作られる。
エッセンシャルオイル(精油)と呼ばれており、種類はおよそ1500にもなるという。
動物性香料
動物 | 香料 |
---|---|
ジャコウジカ | ムスク(エキゾチックでセクシーな甘い香り) |
ジャコウネコ | シベット(ジャスミンのような爽快感のある香り) |
マッコウクジラ | アンバーグリス(甘くて高級感のある香り) |
ビーバー | カストリウム(皮革のような深みのある香り。24種類の分子でできているのが特徴) |
ジャコウネズミ | ムスクラット(フローラル系の甘い香り) |
動物性香料は野生動物から抽出するものだが、ワシントン条約により取引禁止となっており、現在は合成香料に置き換えられているようだ。
合成香料
素材 | 香料 |
---|---|
アロマケミカル | メントールのようなサッパリとした香りが特徴 |
アルデヒド | 薄めていくとジャスミンのような爽やかな香りになる |
アルデハイデック | やわらかなフローラルの香り。ふんわりと香るのが特徴。 |
ケトン | 他の成分と配合することにより、バターやカラメルのような甘い香りになる |
合成香料は、天然香料の成分を分析し、全く同じ化合物を油脂・コールタール・石油といったものを原料にして作りだされたものであり、他の香料とブレンドすることによって香りに重厚感や深みを出す香料類で、4000~5000種類あると言われている。
植物性香料・動物性香料・合成香料と豊富な種類をバランスよく成分することで、さまざまな香りや雰囲気を演出することができる。
メンズ香水とレディース香水の違いは?
メンズ香水とレディース香水に成分の大きな違いはないが、種類の多さは大きく違ってくる。
メンズ香水はシトラスやスパイシーなどのサッパリとしたタイプの香水が多いようである。爽やかなイメージを演出したいメンズが多く、サッパリした香りの香水をつけてほしいという女性も多いからだろう。
一方、レディース香水は、バニラやフローラルなどの甘いタイプの香水が多い。これは、ふんわりやわらかな印象をつけたい女性が多いからだと言われている。
メンズ香水の商品名の最後に付け加えている表記は、主に英語・イタリア語・フランス語である。以下に主なものをまとめてみた。
英語 | For Men(フォアメン)、Man(マン)、 M(エム)、For Him(フォアヒム)、Gentlemen(ジェントルマン) |
---|---|
フランス語 | Pour Homme(プールオム)、Homme(オム)、 Pour Lui(プールリュイ)、Lui(リュイ)、Masculin(マスキュリン) |
イタリア語 | Per Uomo(ペルウオモ)、Uomo(ウオモ)、 Per Lui(ペルルイ)、Lui(ルイ) |
この名称を見れば一目でメンズ香水と分かるので、購入する時に参考にしてみてほしい。
「香り立ち」とは
香り立ちとは、美容業界の用語で香りが時間の経過と共に変化していく事です。また「匂い立ち」という言い方をする場合もあります。
トップノート、ミドルノート、ラストノートとは
これらは、香水の香り立ちの変化を表現する用語で、順番に、最初の10分程度、1~2時間後、それ以降などと分類されている。
トップノート | 香水をつけた最初の香り つけてから15~30分程度 |
---|---|
ミドルノート | 香水をつけてから数十分経過したあとの香り |
ラストノート | 香水をつけてから約2時間が経過した後から 12時間程度の香り |
香水自体、さまざまな香料がブレンドされているため、時間が経つに従って、香りの印象も異なってくる。最初のトップノートはインパクトが強め、ミドルノートは落ち着いた印象、そしてラストノートはごくソフトに、といった傾向が一般的で、香水としてのメインの香りは、ミドルノートにあるといわれる。
香水は、以下のような過程を経て作られている。
- 香りを決める
『パヒューマー』と呼ばれる調香師が香りを決める。香りの記憶力・嗅ぎ分ける能力・成分量など、様々な知識を持った技術を持つ、香りのプロフェッショナルだ。 - 抽出する
原材料を香料油へ成分を抽出する。以下に主な抽出方法をまとめてみた。
・蒸留法…原材料を加熱し、その中の香りを取り出す。
・圧搾法…主に柑橘系の果皮を圧迫して搾り、香料油を抽出する。
・抽出法…溶剤を使って、動植物の素材から作り出す。 - アルコール・香料油・蒸留水を配合
3つの成分の配合量はパヒューマーが決めて配合する。 - 熟成させる
販売する4~8週間ほど前に香水を熟成させる。
熟成させることにより、配合成分が混ざり調和していく。
このようにして香水が作られる。
ひとつの香水にはおよそ50~200種類の香料や成分が含まれており、香料は数百という成分を配合することにより作られている。
香水を生産している工場としては、フランスにあるフラゴナール工場や、グラース工場が有名である。また、世界最古のフレグランス工場は1850年頃にギリシャで発掘されている。
香水と季節
季節が変わるとファッションも変わるように、香水の衣替えのタイミングでもある。
シーズンごとに注意すべきポイントをまとめているので、参考にしてほしい。
春・夏 | シトラス系やシプレー系などがオススメ。周りにいる人も爽快な気分になるはずだ。 |
---|---|
湿度が高い時 | 香りが重くなるので、フレッシュで軽やかな香水を使用するのがオススメである。 |
秋・冬 | ウッディ系やムスク系をオススメする。空気が乾燥しているため、香りが周りに伝わりやすい。やわらかい香りで春夏とはひと味違う演出をしてくれるだろう。 |
・梅雨時期…スパイス系などの香水を軽めにつける
香水のつけ方は、足首に1プッシュずつ+肘の内側に1プッシュずつなど、全身で2ヶ所以内に収める。
必ず香水をつける部分よりも30cmほど離してスプレー、香りの霧をまとうように軽めにつけるのがポイントだ。
「梅雨にもつけられる香水があるのか…」と悩んでいる方にもオススメなのが『ジバンシィ ウルトラマリン オーデトワレ』である。
海やサーファーをイメージして作られたというこの香水は、ウォーターフルーツの香り立ちがサッパリとした印象を与えてくれると評判だ。
梅雨の時期でも汗などを気にせず安心してつけることができるだろう。
・香水をつけるタイミング
出掛ける時や大切な人と会う前の15分ほど前には香水をつけておきたい。
香水をつけてから最初の10分ほどはアルコールを含み急激に変化する時間帯なので、余裕を持って香水をつけることで、自分をよりよく印象づけることや、距離を縮める効果があるだろう。
・香水の保管法
香水を使用したら、以下の点に注意しつつ保管しよう。
- しっかりとフタをする
- 直射日光の当たらない場所に置く
- 冷たいところ(冷暗所)に置く
フタをすることで酸素に、紫外線対策として直射日光に触れさせないようにし、冷たいところに保管することで一定の温度に保たれ香水が長持ちする。
蛍光灯の光がダイレクトに当たる洗面所の棚などに置いている場合は、蛍光灯をこまめに消す習慣を付けると効果的である。
・使用期限について
香水もメーカーや配合されている成分にもよるが、一般的に未開封で3年、開封後は1年ほどで使い切ってほしいとアドバイスしているショップやメーカー・会社が多いようだ。
オリエンタル系などの香りの系統とは
香水には、種類とは別に、オリエンタル系やシプレ系などの香りの系統が存在する。
ここでは主に、男性香水の系統について紹介しておこう。
オリエンタル系
甘さやスパイスを使って、エキゾチックなセクシーさを醸し出す。
かつての男性香水ではあまり重視されていなかったエッセンスだが、現在は男性用として開発された商品も多々ある。
シプレ系
オークモスやベルガモットをベースに、柑橘系の香りをブレンドするなどしている。
フォーマルな傾向が強く、名前の由来となったのは老舗香水ブランドコティ社の『シプレ』といわれる。
フゼア系
オークモスやラベンダー、クマリンなどをベースとした、男性香水ならではのエネルギッシュさと落ち着きがある香り。
名前の由来は、クマリンを使った世界初の香水、ウビガン社の『フゼア・ロワイヤル』。
さらに香水の種類と香りの各区分についてまとめてみた。
シトラス系
代表的な香水
プレミアムパヒューム ジーノストーリア
通常価格 4,644円(25ml)
特徴:普段から香水を愛用している方にはもちろんのこと、爽やかなシトラス系の香りは香水初心者の方にも場所を選ばずに使用できると評判である。
香りの区分
レモン・オレンジ・グレープフルーツなどの爽やかでフレッシュな柑橘系の香り。爽やかに香り、世代を問わずに好かれるタイプである。
フローラル系
代表的な香水
ブルガリ プールオム
通常価格 10,815円(100ml)
特徴:ダージリンティのような甘い香りが特徴的で、高級ブランドの中でも人気の高い香水である。海外セレブのような雰囲気を演出してくれるだろう。
香りの区分
ローズ・スミレ・ジャスミンなど花の香りを配合したタイプ。優しくふんわりと香るので、シチュエーションを選ばずオールマイティに使うとこができるだろう。
オゾン・マリン系
代表的な香水
4711 ポーチュガルオーデコロン
通常価格 3,675円(80ml)
特徴:200年以上の長い歴史があるフレグランスブランド。『4711』 のオレンジの香りは飽きることなく使用できるようで、リピートするファンが多いようだ。
香りの区分
草木の緑、海や空気をイメージした爽快な香り。1990年代からリリースされている比較的新しいタイプの香水で、海や水をイメージした透明感が特徴的である。
バルサミック系
代表的な香水
クリニーク ハッピー
通常価格 6,825円(50ml)
特徴:スキンケアブランドとしても知られる『クリニーク』が作っている香水。柑橘系とほんのり甘い香りは、爽快な印象を与えたいときにオススメだ。
香りの区分
バルサムとは、樹木から採取した香料のこと。
オリエンタル系の香水で使われることが多いようだ。
アーシー系
代表的な香水
カルバンクライン シーケーワン
通常価格 11,025円(100ml)
特徴:サッパリとした自然な香りが人気の香水。15mlから200mlまで細かくサイズが分かれて販売されているのも購入しやすいポイントなのだという。
香りの区分
森林などの自然な香りを印象づけたい時に表す言葉である。
根に強い香りがあるイネ科の草ベチバーや、シソ科の植物であるパチュリなどのような香りはこうした呼ばれ方をするという。
ヘイライク系
代表的な香水
エルメス ナイルの庭
通常価格 11,130円(50ml)
特徴:庭園をイメージして作られた、さわやかなフルーティーグリーンの香りは、リラックス効果もあるという。さりげない香りは香水初心者にもオススメ。
香りの区分
枯草のような香調で、自然の香りを表現したいときに使われることが多いようだ。
さわやかな香りが特徴的である。
モッシー系
代表的な香水
ジバンシィ ウルトラマリン オーデトワレ
通常価格 10,500円(100ml)
特徴:爽快感のあるブルーフレグランス。マリンテイストをイメージした香りは、サーファーアクティブな男性に人気。
香りの区分
コケ(moss)のような、海藻や海、潮風などをイメージした香り。
マリンテイストをイメージした香りは、持続性と深みを与える効果があるという。
パウダリー系
代表的な香水
Abercrombie&Fitchフィアースコロン
通常価格 18,200円(50ml)
特徴:官能的な甘い香りは、セクシーな演出をしたいときにオススメだ。大人の男らしさを引き出してくれる。
香りの区分
夜のパーティーなどで大人を演出してくれるような、重みのあるクラシックな香調に多く使われている。
どこか甘くて乾いた香調の香りが特徴的な香りだ。
アニマリック系
代表的な香水
シャネル エゴイスト プラチナム
通常価格 8,200円(50ml)
特徴:さりげない甘い香りは、ユニセックスでつけられる香水として評判がある。世界中のセレブに愛用されている。
香りの区分
ムスク、霊猫香等を基調にした香り。
ムスクの甘い香りは、緊張や疲れを和らげたり、心身をリラックスさせる効果がある。
ウッディ系
代表的な香水
ディオール ファーレンハイト
通常価格 7,350円(50ml)
特徴:青いグリーン~温かみのある甘い香りへと変化。大人の男性香水としてヨーロッパでも愛用者が多い。
香りの区分
白檀、パチュリなど香木を基調とした香り。
特に男性向けに多く、ダンディーな演出をしたいときにつけるとこが多いようだ。
タバコ・ノート系
代表的な香水
ブルガリ ブラック
通常価格 9,975円(75ml)
特徴:バニラのような甘さ~スパイシーで深みのある香りへと変化。ダンディーな雰囲気を演出したいときにオススメ。
香りの区分
文字の通り、タバコのような香りをイメージしている。
男性用香水で多く用いられているのが特徴的である。
上記のように、含まれる香料によって系統が決められる。女性用に多く見られるのがフローラル系、男性用ではフゼア系が多いようだ。シトラス系、ナチュラル系は女性男性問わず人気があるという。
ひとことに「香水」といっても原料や配合にいたるまで、様々な過程があるのだ。