知っておきたい香水用語
香水は、大人の身だしなみとして大切なもの。しかし、香水に関する用語について分からないまま使用している方も多いのではないだろうか?例えば、香水売り場に置いてある白い紙にも用語が付けられているのをご存じだろうか。用語を知ることは、正しい知識で香水を使用することももちろん、香水選びにも役立つものになる。
そこで今回は、香水をこれから使う人、現在使っている人に向けて知っておきたい香水用語の意味を解説する。今後の香水選びの参考にしてくれ。
知っておきたい香水用語
フォーメン,プールオム,ウオモ
男性用香水を示す用語は、英語でフォーメンと呼び「For men」と書く。また、フランス語ではプールオム、イタリア語でウオモと呼ぶ。それぞれプールオム「Pour Homme」、ウオモ「Uomo」と書き、どれも男性用香水と同じ意味を表す。海外ブランドの香水では、そのブランドの国によって呼び名が異なる場合があるため、少なくともこの主要3つの用語は覚えておくといいだろう。
ちなみに、女性用香水は、英語でフォーハー「For her」と呼ぶ。女性へのプレゼントを選ぶ際に、きっと役に立つだろう。併せて覚えておくといい。
コフレ
コフレは、フランスの言葉で容器や箱のことを指す。そして、香水用語では、香水を入れる箱=ギフトセットという意味がある。また、一般的にコフレは、香水だけでなく化粧品なども封入しているものを指すことが多い。香水の聖地フランスでは、香水瓶そのものをコフレと呼ぶことが多いのでこちらも併せて覚えておこう。
テイスティング
購入前に、試しに香水を付けて香りを確かめることをテイスティングと呼ぶ。料理でも用いられる言葉のため、覚えておくと便利だ。
ムエット
ムエットは、匂い紙を指す言葉だ。具体的には、香水売り場に置いていてる細長い紙のことで、テイスティングの際に使用する。
フォーミュラ
フォーミュラは調香師用語で、香水の処方箋という意味が含まれている。香料の配合比率といった詳細なデータが記載されており、それを基に香水が作られる。
アコード
ご存じの通り、香水には複数の香料が含まれている。アコードは、香料のバランスを示す用語のことだ。例えば、アコードの取れた香水という場合は、バランスの良い優れた香水という意味を指す。なお、アコードに関する基準は特にないので注意しておこう。
アブソリュート
アブソリュートは、香水に使用する成分を指す。まず、植物性の材料をベンゼンなどの揮発性の溶剤で抽出し、抽出した溶液から溶媒(抽出に使用した物質)を除去。続いて、エチルアルコールで精油を抽出し、アルコールも除去したものがアブソリュートである。有名なジャスミンオイルは、アブソリュートに分類される。また、アブソリュートの反対語は、よく聞くであろうエッセンシャルオイルになる。(精油)
合成香料
石油などを使用して人工的に作られた香料を合成香料と呼ぶ。また、精油の主成分を蒸留した単離香料も合成香料に含まれる。
調香師
パヒューマーとも呼ばれており、香料の調合および香水を作る職業を指す。また、調香師は、香料の香りを嗅ぎ分けるスキルや、香料、素材の化学的知識も持っているのが特徴だ。通常は、化粧品会社などの香水を作る会社で働いていることが多い。
オルガン
調香師が使用している調合台をオルガンと呼ぶ。香料瓶は数百種類程度あるため、直線の台では都度移動しなければいけない状態となる。そのため、オルガンは効率良く香料瓶を取り出すことができるよう、調香師を囲うような形状になっているのが特徴だ。
アトマイザー
アトマイザーは香水を入れるスプレー付きの容器のこと。1870年代の終わり頃に、フランスの香水メーカーで使われるようになり現在に至る。スプレー付き以外にも、ロールタイプやボトルタイプもありバラエティ豊かだ。香水を持ち歩くときに便利である。
オーデコロン
オーデコロンは香水のことを表すが、そのなかでも香料濃度が2~5%で持続時間が1~2時間程度のものを指す。ただし、香水とは別物として取り扱われるケースもある。製品を紹介するときの表記はEDCで気軽に使えるのが特徴だ。世界初のオーデコロンは4711。ドイツで誕生し「ケルンの水」としてフランス中に広まった。
アルデハイド
合成香料のことで、日本では一般的にアルデヒドとして知られている。フローラル系の香料と相性がいいとされており、「シャネルNO.5」で初めて使われたとされている。天然香料では出にくい香りが生み出せるようになったということで、それ以降多くの香水で採用されている。
ノート
ノートとは香調のことだ。香る順番の構成や、香りの系統を表現するときに使われている。香水は時間の経過に合わせて香りが変化する。その順番として、「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」というふうにノートという言葉を用いて表す。また、その香水の香りの特徴を表すときにも用いられることがある。たとえば花系なら「フローラルノート」柑橘系なら「シトラスノート」というように、香りの概要を捉えることができると思うといいだろう。
トップノート
トップノートは、一番最初にくる香りのことを指す。香水の第一印象を決める香りと言っても過言ではない。一般的に、5分~15分程度の持続時間があり、シトラスなどの柑橘系の爽やかな香りが使用されることが多い。
ミドルノート
トップノートの次に香るのがミドルノート。または、ハートノートとも呼ばれる。香水のメインとなる香りと言ってもいい。持続時間は30分~3、4時間程度と持続性が高く、その香水の一番の印象を与える香りと言える。香水選ぶとき重要視したい要素である。
ラストノート
ラストノートはその名の通り最後の香り。香水の余韻と考えると良いだろう。ドライダウン、ベースノートという言葉で表されることもある。付けてから2時間~半日程度まで続き、持続性が高い。ウッディ系やバニラ系など、重みのある深い香りで構成されることが多い。
持続性
香水の香りがどの程度の時間続くのかを表す。香水の種類によって持続性は変わるため、選ぶときの判断材料になるだろう。パルファムやオードパルファムは5~12時間、オードトワレは2~5時間が一般的な持続時間だ。オーデコロンは1~2時間程度と短い。
アニマルノート
アニマルノートは、ムスク、シベット、アンバーなど、動物性香料を使った香りの総称だ。フレグランスに使用する場合は、オリエンタル系のものによく含まれている。ただし、現在は動物保護の観点から、天然香料として使われることは減少傾向にある。
ウッディノート
木の香料を使用した香りの総称。白檀、シダーウッド、ベチパー、パチュリといったものが代表的だ。ナチュラルな香りが好評で、代表的なものである白檀(サンダルウッド)は、樹齢が古いほど芳醇な香りを醸し出す。
エッセンシャルオイル
植物の花びらや葉、茎、根、果実などから抽出した、揮発性の高い芳香成分の油のこと。自然由来で香りのいいものが多く、香水以外にも化粧品などさまざまなシーンで使用されることが多い。
ネ
「ネ(ne)」は、フランスで最高と称されるパフューマーに与えられる、栄誉ある称号だ。フランスでは政府の制度として「le nez(ル・ネ)=鼻」が設けられている。英国爵位制度の「サー」に近く、非常に権威ある称号となっている。
フェイク
希少価値が高く、高価で入手しにくい天然香料に似た合成香料を代用品として使用すること。また、そのように使用する香料を指す。本物と比べると多少の違いはあるが、似たような香りを安価で求める人からは人気である。
オーデコロン
濃度が軽いフレグランスで、香料の含有量は2~5パーセントほど。コロンという呼び名の由来は、ドイツの都市・ケルン。そこで作られた香水が人気となったことから「オーデコロン (ケルンの水)」という呼び名がついたとされている。
水蒸気蒸留法
香水を生成する際の蒸留法の一つ。香水の原料を「蒸留釜」と呼ばれる釜に詰め、水蒸気を吹き込むことで蒸留させる。または、窯の底に水を張り、水に浸からないように原料を仕込んで加熱することで抽出を行う。
バスライン・ボディケアライン
香水と同じ香りで、賦香率はオーデコロンやオードトワレと同程度。ほのかな香りを楽しみたいときによく使用される。一般的なものでいうと、シャワージェルやボディローション、デオドラントなどがそれにあたる。